東京朝市 アースデイマーケット EarthDayMarket

天候と農業

今日お伝えするニュースは、都市に住むぼくの農産物と自然に対する無知なのかもしれません。

たったいま今回初出店をされる予定の山梨の果物農家さんとお電話をしていました。「今週末どうぞよろしくお願いしますね」の簡単な確認になるはずの電話は、ぼくの気持ちとは裏腹に予想できない話になってしまいました。

都市に住む僕の元には猛暑というキーワードが連日届きはするものの、温度調整された建物で暑さをしのぐ日々に慣れてしまっていますが、山梨笛吹市近辺では梅雨明け以降連日35℃を越す天候が続き、ついこの間まで青かった桃の実が充分な時間をかけず、あっという間に赤くなってしまったそうです。と、ここまで聞いても僕は事態がどう深刻なのかまだ掴めずにいました。

経るべき過程と時間を過ごせなかった赤くなった実は、あっという間に木からぼとぼとと落ち始め、なんとか収穫し出荷した桃も出荷先に届いた先では種の周りが、黒く傷み始めてしまったそうです。

アースデイマーケットにこの度初出店するに当たって、とても楽しみにされていたようで今回なんとかして出店を考えてくださっていましたが、断腸の思いだったのだとおもいます。手塩にかけた桃の木にいっしょに代々木公園に連れて行くだけのものは無く、有っても手塩にかけ胸を張って送り出せるはずの桃たちがいないという こだわりが故の苦心の決断がそこにはありました。

この農家さんからはとうとう自分の口からのキャンセルの言葉はありませんでした。それほど出店を望んで頂いていたのだと強い想いを一言一言から強く感じることが出来ました。どうにか気持ちに応えられないかと、無い知恵を絞らせて頂きましたが結果は変わりませんでした 。旬を相手にする。そして天候を含め、自然を相手にする。この難しさ、歯痒さ、そして悔しさを痛烈に教えられたそんなやり取りでした。僕にはこの農家さん自身の心そのままを知る由はありません。なぜなら、桃は彼の家(農園)の子(実)だからです。都市で猛暑をエアコンでやり過ごす、僕には感じることの出来ない心境でしょう。

今回このいきさつをブログに載せることを、「よろしくお願いします」と快諾してくださった農家さんのお気持ちに応えることがこの悪筆で出来たか自身はありませんが、少なくともこの農家さんの出店に向けた違う作物でのリベンジでの再会を待ちたいと思います。そして今後の天候が安定することを祈るばかりです。

この春ブログで載せた、小田原の農家さんの会心の玉葱の畑が雨で打撃を受けてしまった時のエピソードが、その農家さんの新玉葱とマーケットの会場で出会えた 時の感慨深い澄んだ旨味、甘味を今も覚えています。今回残念ながらキャンセルになってしまった農家さんの実りといつか必ず会場で出会いたいと思います。笑顔でこの農家さんの実りをいただく事をつよく願って。

ここまで敢えて匿名で書きましたが、コチラの農家さんです。

山下農園 大地の実  http://www.earthdaymarket.com/498/

※こちらの農家さんのURLなどはございません。現在桃に関しては完全に出荷をストップされているそうです。近く違う品種の桃や葡萄の季節を楽しみにしたいと思います。

2010年07月22日 17:59:08