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2010年12月15日

静岡県富士宮市に行ってきました。

焼きそばを食べに行った訳ではありません。

先日10月23日、このブログで紹介した静岡県富士宮市の有機農家さんたちが

あつまる青見牧場での感謝祭に行って参りました。

毎月数十件の出店者さんにお集り頂いているのにこちらから行く事はとっても僅か。

行きたいのになかなか行けない。そんなジレンマを払拭できました。

何より前回ブログでリンクを貼った北山農園さんの楽しそうな昨年のレポートにやられました。

行ってみると想像以上!とっても楽しかったです。

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会場至近の駐車場は満車。徒歩3分の空き地にやっと駐車できました。

地域に同じ志をもった有機農家さんが多いせいでしょうか、とっても伸びやかで、

到着した瞬間にこの日一日が楽しくなることを感じさせてくれました。

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25年以上も有機農業に取り組んでいる方と、そこに集う次代を担う農家さんたち。

この感謝祭が14年も続いているというのが納得できる厚みを感じました。

有機農家さんが新たに研修生をとり、その人がまたその地域で有機農業を始める。

そういう流れの定着を感じることができました。

この日参加していた農家さんの中でもなごみ農園さんで研修した北山農園さんだったり、

ビオファームまつきさんで研修した百姓屋つぐみさんだったり、坂尻ハジメさんだったり、

そしてそれぞれの農家さんが仲が良かったり。

会場では有機農家さんが野菜を販売するだけでなく、オーガニックのコーヒーを出したり、

マイクロブルワリーの美味しいビール工房のビールが出たり、循環型の牧場が牛肉のサイコロステーキを出したり、バジルソースのかかった焼き鳥が出たり、牧場自家製のソフトクリームがあったり、手作りご飯があったり、餅つきあり、天然酵母のパンあり、猟師さんの鹿肉入りコロッケあり。

本当に多様。クラフトも多く、近隣のとある書道家でもあるおかあさんの作った茶碗に一目惚れしたり、赤ちゃんから、お年寄りまで思い思いに楽しめる要素がいっぱいありました。

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ステージではバンドあり、アフリカンドラムあり、そして富士宮市長(昨年も参加されたらしい)を中心に地元の有機農家さんのそうそうたるメンバーが揃いのトーク。生物多様性と有機農業をテーマにお話をされていました。

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なごみ農園から宮田さん、ビオファームまつきさんから松木さんも登壇されていました。

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僕が特に関心を持ったのは、農家さんのお話のあとに出た一般のお客さんからの声。

消費者がもっと変わることで有機農業はもっと変わる!という意見が多かったことです。

僕自身感じることはとてもあります。食料自給率を考える前にもっと大事なのは、食べ物を大切にすること。

こんなに食品を廃棄することでしか成り立たない社会で同時に自給率を叫ぶのはひどく滑稽です。

心と頭と体のついていける適切な距離のものを大切に無駄なく消費する社会になれば、何を選択したくなるかは決まってくると思います。

そうした社会の可能性を富士宮市に感じることができました。

とはいえ、問題もあるようです。お祭りのあと、場所を変え北山農園の平垣さん夫妻の畑を見学に。

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元々ウサギ好きがこうじて、ウサギの為の餌場を作りたいというところから有機農業に関わられた平垣さん夫妻

新たに独立していく同志が増えて行く一方で、続けることが出来なくて、やめて行く同志もいるようです。

そして富士宮の農家さんに限らず、僕がおつきあいをしている農家さんは

みな口を揃えていいますが、「近隣に消費者がいない、環境共生型の農法で作っても近隣ではあまり売れない。都会でしか売れない」

僕は10年後も生産者さんたちに同じ台詞を言わせ続けてはいけないと感じています。

いずれその土地土地で成り立って行く社会を作れることに、こした事は無いはずです。

東京にも作ったものを大切に消費してくれる心がつながっている消費者がいれば、

お裾分けしてくれれば良いと思いますが、地方自体で成り立つ時代にこしたことは

ありません。それまでの間、アースデイマーケットの舞台で環境共生型の農産物の良さ、

生産者の声を鳴り響かせたいと思いました。そして同時に各産地までその声を

届けられるような活動を行っていきたいと思います。

みなさんも、生産者さんのところにどんどん声をかけて遊びに行ってみてください。
心(生産者の気持ちまで消費できる)と頭(生産者と消費者が対等に価値を交換できる判断)と身体(心と頭を気持ちよく交わすためにも直接出会い交流すること)が通うものを消費できるようにしていきたいと思います。

最後に僕が平垣さんに北山農園の野菜を見ると、「どう料理したら美味しいかな?きれいな料理が作れるかな?って考えちゃうんです」と 話すと、笑顔でこんな話をしてくれました。

「どんな仕事だってたいへんなんだから、有機農家だけたいへんだなんて思われるより、

作った野菜を観た人が、その野菜でどんな料理を作ったら美味しいだろうか?って楽しく

想像してもらいたい。だって、そう思って貰いたくて野菜を作っているんだもん。

作り手がそう思って作った野菜を、誰かがそう思って手にとったら、それは成功でしょ?」

野菜を通してちゃんと平垣さんの気持ちが伝わっていたんだと気づいた瞬間でした。

平垣さん、途中で風邪をおしてかけつけてくれた坂尻さんにも併せて感謝です。
さて今年最後のアースデイマーケットはそんな富士宮からビオファームまつきさん、なごみ農園さん、北山農園さんが参加です。

とってもオシャレで美味しい野菜満載です。富士宮の幸と話をしに遊びに行ってみてください!

2010年10月6日

家庭内自給率アップ!〜稲刈り&天日干し〜

このブログで何度か書いた田んぼでの稲刈り&天日干しに先週末行ってきました。
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ちょうど昨年のいまごろ出会った田んぼ。

この一年、始めて出会ったときは荒れ果てた耕作放棄地だった草むらは、観音さまの湧き水が脇を流れ、里山を伝う風は真夏の暑さを少し和らげてくれながら、いまではたわわに実った稲穂が一面にかかったはざ架けの景色に生まれ変わりました。昨日、稲刈りから2日目。今年田んぼを指導してくださったアースデイマーケットの出店農家「自然村たなごころ 〜掌〜」の岡野さんは「壮観ですよ。」と電話をしてくださいました。

ボクは二児の父ですが、お腹に子どもを宿せないからでしょうか?いままで男性としてしか赤ちゃんを育てるイメージが掴めませんでした。この夏お会いした在来種サワノハナを自然農法で育てているネットワーク農縁の山形県新庄の高橋さんが「まだ穂の出る前の稲は胎児のようだよ、茎の中には真っ白いお米の花と羊水のような水が入っているんだ。」と話してくれたのを思い出します。また前回のボクの草取りのレポートでは、「草取りで流れる額の汗が田んぼに落ちて、それを稲が吸うと思うと、乳をあげている気分になる」と書きました。2日前の稲刈りの時、岡野さんが「稲刈りをして乾燥させる時、稲藁をつけたまま乾かすのは稲藁に残っている最後の最後の栄養をお米に伝えきるんです」というのを聞いた時。最後の最後、へその尾の中に残った養分を胎児が吸いきるまでへその尾を切らないという助産師さんの話を思い出しました。そう思うと、これは母親の感覚の子育てだ。と、籾一粒の価値がいままでと生々しく劇的に変わってきました。実際の子育てで掴めなかった感覚がなぜか米作りで補完されたような気がします。

素人の作業は延々続き、街灯1つない里山の田んぼは完全に闇に包まれ、乗って来た車のヘッドライトと懐中電灯で所々照らしながらの稲刈りナイターになりました。それでも全部終わったわけではありません。まだ少しですが作業は残ってしまいましたが、残りは岡野さんにお願い出来ることとなりました。まる一年間、いろいろとお世話になりっぱなしで、たくさんご迷惑をおかけした部分もありましたが、多くの人が係ったことで還元していきたいと思います。

この日、岡野さんの奥さまから衝撃的な話を聞きました。ご存知の方も多いかもしれませんがお米の買い取り価格です。半年以上1年未満かけて育てたお米は1等米で1俵60kgで1万数千円で取引されるそうです。その金額は昨年から2,000円も下がったそうです。この金額は大きく見て市場が決めたものですが、決定的に農家さんには厳しい金額です。例えばボクらの田んぼはアマチュアが趣味でやったとはいえ、2反でたぶん少なくても8〜9俵くらいは収穫できるんじゃないか?と思います。無農薬無化学肥料ではかなり良く出来た方だと思います。けれど、17人で係った田んぼが1等米だとしても10万円行くかいかないか。そして、この1等米というのがかなりくせ者で味や農薬の使用不使用が問題ではなく、見た目の世界です。数粒の脱穀しもれた籾がまぎれていたり、カメムシに吸われた限りなく小さい黒い斑点が紛れようものならすぐに2等、3等と等級が落ちるそうです。それに併せて価格はどんどん落ちます。強いていえば、1等級より見た目が整ってきれいな2等級米は存在しないかもしれませんが、1等級のお米よりずっと美味しい2等級、3等級のお米は存在するということです。見た目も味のうちですし、味は個々の嗜好が大きく係ることですが、見た目だけで米の価格が決まるというのはただ納得できません。我々の田んぼは無農薬かつどこよりも遅い収穫だった為、大量のカメムシの楽園になっていました。黒い斑点がついていない訳がありません。けれども、自家消費だから気にしない。自分で作ったから何よりも価値はわかっている。そして、岡野さんが美味しいお米になるように指導してくれたし、最高の1年だったと思えば、売価などは一切気になりません。とはいえ、あれだけ苦労をしてくると農家さんがどうしたって割が合わないのはわかります。農家さんと直接販路を持って購入する食の入手方法により、農家さんに少しでもちゃんと利益が還元できるようになることがとても重要だと改めて思いました。毎昼800円前後で昼食を食べますが、その金額のいったい何割がお米代なのでしょうか?そして農家さんにはいったい何割が渡っているのでしょうか?アースデイマーケットで農家さんから直接お米を購入したり、知り合いの農家さんから直接お米を送ってもらって買うことでどれだけ農家さんにメリットが上がるのでしょうか?

お米は豆と並んで保存が利きます。どんな形でも良いので、一度農家さんから直接お米を購入してみてください。そしてそのお米をどんな風に育ててらっしゃるか聞いてみてください。そしてできることならそのお米の農家さんを御手伝いに行ってみてください。そのお米はあなたが係る分だけ、あなたのためにあなたの子のように可愛く美味しく育ってくれると思います。

2010年8月12日

家庭内自給率アップ!〜稗ぇ〜!稲ぇ〜!〜

家庭内自給率アップを目指して、アースデイマーケットの出店農家さん千葉県香取郡東庄町の「自然村たなごころ 〜掌〜」さんの所に行き始めて、9ヶ月。昨年12月の開墾から田植え、草取りなどボクの友人17人が入れ替わり立ち代わり、田んぼにお邪魔しながら稲作を勉強させて頂いております。ボク自身、今のところ7回田んぼに行っています。一応言い出しっぺなので、行っている回数は辛うじてメンバー中、トップです。

2枚の田んぼを借りていて、凡そ2反ほど。片方の田んぼの稲は緑が濃く元気いっぱい。でも緑が濃すぎるのは窒素が多いせいで味が落ちる可能性があるようです。もう1枚は黄緑色、コチラは雑草の根を切ることが出来ず分厚い雑草の根っこの層の上に稲をお邪魔させて頂いているような場所もあったりで、ひたすら雑草と真っ向勝負です。この雑草の中に雑穀の一つでもある稗(ヒエ)という植物がいます。お米といっしょのイネ科の植物です。イネ科って以外といっぱいあるんです。今が旬のトウモロコシも、竹もイネ科です。茎がなんとなく似てますね。

そんな稗のすごいところはイネ科だからなんでしょうか?とってもお米の稲と似ているのです。どれくらい似ているか。草取り開始当初は茎の根元が赤みがかっていることしか、当初違いがわかりませんでした。ほんとうに似ています。参加者の中には稗だと思って稲を抜き、稲だと思ってその周りの草を抜きながら、稗を絶好の立地にしてしまうなど、大混乱がおきました。段々稲がどれだかわからなくなり、稗に乗っ取られたのか??と疑いたくなるほどです。事実無根ですが、あまりの類似に稗は稲作と同時に人間に抜かれ続け、だんだんに稲に似てきたのでは?生き残るためには稲に似るしかない!という作業を2,000年も繰り返した結果、この姿に落ち着いたのではないかと思うほどです。そのせいもあり、草丈が腰の高さまでになった稲の林に潜り込むように、雑草を探り出しては抜く作業は炎天下の中、困難を極めました。稗はもちろん、実れば食べられますが、これは一応抜くことにしました。稲に寄り沿っては生え、または稲と等間隔で生えるしたたかな成長ぶりには舌を巻きます。その他にもボクらの田んぼにはざっと主要なもので、5種類くらいの雑草が、イキイキと気持ち良さそうに生えており、これでもかこれでもかとやってもなかなか埒があきません。こうなる前に手を打たなければならなかったのだと、身をもって知ることになりました。

米の花。

生まれて始めて米の花を観ました。フライング気味に花を咲かせているものもありチリチリとした白い花を観ることができました。これが受粉するともみがらの中の米がどんどん膨らみ、あの米になるそうです。成長を見極めるために、いまだいたいどれくらいまでその他の稲が花の準備をしているか、草刈りのついでにうっかり切ってしまった稲の茎を剝いてみました。茎の奥から出て来たのは、真っ白な花のモミの束。これが1日に4センチくらいづつ茎の中を上昇し、茎から出たあとに花開くそうです。花の赤ちゃんであり、米の赤ちゃんを見た時、咄嗟に両手で水を掬うようにこの幼い命を掌に載せました。我が子を抱きかかえるようにと表現しても良いような気持ちになりました。

やはり自分が汗水流して育てたものは、ヒト科であろうと、イネ科であろうと我が子です。農家さんはアースデイマーケットに出店すると、自分の息子や娘が嫁ぐ気持ちになるとおっしゃることがありますが、その気持ちが想像ではなく実感でわかりました。手をかける愛情は、きっと何かを超えます。どんな米であろうと、自分がつくった米がうまいはずです。自分の子どもだからです。だからアースデイマーケットには、お客さんのファンがついてくださるのだと思います。会場で出来た顔見知りの農家さんの野菜が、ある時から知り合いの子になる訳です。それはいつしか友人の子になるかもしれません。親戚の子になる可能性だってない訳ではないでしょう。ぼくらの額から流れる汗を吸って育つ米は、ぼくらの母乳を飲む赤子です。ボクらが手をかけたことが1年を通して、一膳一膳返ってくるのです。ボクらがしたことは、ボクらに返ってくる。これほど理路整然と生きる術は無いでしょう。

生物多様性について以前書きましたが、ボクらが雑草と決めてかかった草たちの個体数はかなり奪ってしまいましたが、彼らの方がずっとうわてでとても敵いません。敵わなくてもよくなりました。青々としげった1枚の方は雑草がほとんどなく窒素が多すぎるようですが 、こっちの雑草とともに育った方は雑草に奪われているせいか、濃い緑ではありません。手をかける量も、おびただしい雑草のおかげでこっちの米の方が思い入れも強くさせてくれます。きっとこっちの方がおいしいのでは?と想像しています。手のかかる子ほど可愛いという論理です。とはいえ、両方の田んぼの子供の成長をボクらは愛情込めて見届けています。乞うご期待(自分)!

そんなボクの借りている田んぼの手刈りの稲刈り&天日干しがマーケットから始まった週末農風の取組みとコラボすることになりました。

詳しくはマーケット会場のチラシや週末農風でご確認ください。

http://www.treep.jp/blog/earthday/2010/04/26223139.html(近日情報公開!)

冨山の長〜いコラムを読んだよ!という一言を添えて頂けるとなお嬉しいです。